【マジックを仕事にするということ】北海道のプロマジシャン・アッキーが語る「プロとして生きる道」
- akkeyproject
- 2025年8月23日
- 読了時間: 7分

こんにちは。プロマジシャンのアッキーです。この記事では、「プロマジシャンってどんな生き方?」「どうすればマジックを仕事にできるの?」というテーマに、自分自身の経験をもとに正直にお話ししたいと思います。
マジックが趣味だった少年が、プロとして人前に立つようになるまでの道のりは、決してスマートな成功ストーリーではありません。でもだからこそ、誰かにとってのヒントになれば嬉しいです。
【Q】子どもの頃からプロマジシャンになりたかった?
はい。実は、小さい頃から「将来はプロマジシャンになりたい」と思っていました。ただ、高校生の頃にふと、「そもそも“プロ”って何だろう?」って悩んだんです。
その時は、明確な答えは出ませんでした。だけど自分なりに考えて、「芸能事務所の公式サイトにプロフィールが載っていたら、なんとなく“プロ”っぽいんじゃないか?」と(笑)。そんな軽い発想から、小さな芸能事務所を探して、自分で連絡しました。
なぜ小さな事務所だったかというと…実は僕、中高生の頃からちょこちょこメディアに出ていたんです。“マジックができるスーパー中学生・高校生”みたいなポジションで、テレビや雑誌に取り上げてもらったこともありました。
その流れで、大阪の吉本興業からスカウトが来たこともあります。当時の吉本は芸人だけじゃなくて、文化人やスポーツ選手も所属していて、僕にも興味を持ってくれたんです。でも…正直、断りました。
なぜなら、「吉本に入っても、売れるまでに何年かかるかわからない」と思ったから。ライバルも多く、テレビ出演のチャンスが来るまでに何年も下積みが必要だと感じたんです。
そこで僕が選んだのは、「テレビに繋がっている小さな事務所を探す」こと。こうして見つけたのが「アミーパーク」という事務所で、ここに所属することで、僕はようやく“芸能界デビュー”を果たしました。
【Q】マジックを仕事にしようと思ったきっかけは?
もともと、人を楽しませることが大好きでした。クラスで面白いことを言って、みんなが笑ってくれる。それがもう快感で(笑)、その感覚が忘れられなかったんです。
マジックも同じ。最初は趣味でしたが、どんどんハマっていって、気づけば生活の一部になっていました。マジックって、見た目はシンプルでも、知れば知るほど深い世界で、「わかったつもり」になっても、どこまで行っても底が見えないんです。その“奥行き”に魅せられて、「これは一生やっていきたい」と思うようになりました。
【Q】プロになるために、最初にやったことは?
正直に言うと…ホストクラブでマジックをしていました。ちょうどその頃、水商売をテーマにした漫画やドラマが流行っていて、そっちの世界にも興味があったんです。しかも、自分で言うのもなんですが、当時ちょっとモテていたので「向いてるかも?」なんて思って、夜の世界に飛び込みました(笑)。
最初は「これは天職かも!」と思いましたが、現実はそんなに甘くなかった。例えば、焼酎のボトルを飲み干さないとお客さんと話せないとか、3分でシャンパンを空けさせられるゲームがあったり…。ちなみに、その頃僕はまだ18歳でした。
お店はもう無いですが、有名なビルの中にあったホストクラブで、毎日大量のお酒を飲みながら、マジックに興味のないお客さんにパフォーマンスしていました。当然、全くウケないこともあって、それでも笑顔でマジックを続ける毎日。でも今思えば、この時期に「どんな状況でもパフォーマンスをやりきる力」が鍛えられたと思っています。
【Q】プロマジシャンの一日の過ごし方は?
僕の一日は、まずメールチェックから始まります。依頼の返事を書いたり、問い合わせ対応をしたり、それだけで1時間ほどかかります。その後はSNSの更新やコメント返信、告知投稿などをこなし、現場があればその準備と移動。
現場がない日は、クライアントとの打ち合わせや、ブログの更新、台本の作成、機材のチェック、さらには新ネタの研究や練習に時間を使います。そして夕方になると、自分の店「マジックショーのお店MGM」でショーを開催。最後は夜に生配信を行い、一日が終了します。
プロとしての活動は、パフォーマンスだけではなく「見えない部分」にこそ多くの時間と労力がかかります。でもその積み重ねがあるからこそ、1つ1つのショーに全力を注げるんです。
【Q】プロマジシャンとして一番嬉しかった瞬間は?
いろいろあるけど、一番はやっぱり志村けんさんの前でパフォーマンスができた時ですね。
テレビに出演したとき、僕は“スーパー中学生”として呼ばれていて、番組のメインMCが志村けんさんだったんです。僕にとって志村さんは、人を楽しませる神様みたいな存在。子供の頃からドリフやバカ殿が大好きだったので、目の前に本人がいるだけでも夢みたいな気持ちでした。
その志村さんが僕のマジックを見て、
「ただのマジックじゃなくてショーになっていて凄かった」って言ってくれた。あの言葉は今でも自分の支えになっています。
【Q】マジックはあなたにとってどんな存在?
マジックは誰もが楽しめる趣味であり、そして奥行きのある芸術だと思っています。ただ、マジックは「手品」ではなくて、「何を伝えるか」が大切。単なる現象を見せるだけじゃなくて、自己表現の手段としても使える。僕はそう信じています。
【Q】マジシャンをやっていて一番嬉しい瞬間は?
やっぱり、最高のリアクションをもらった時ですね。驚きや笑い、感動の表情を見るたびに、「マジックやっててよかったな」と思うし、もっと新しいネタを磨いて、みんなを楽しませたいって自然に思えるんです。
【Q】一番つらかった経験は?
観客を楽しませられなかった時ですね。マジックが失敗することも年に何度かはあるけど、一番の失敗は「観客を笑顔にできなかったこと」だと思っています。
若手の頃の僕は、自分の技術を見せびらかすようなショーをしていました。それではファンは作れないし、人の心には響かない。今ならよくわかります。当時の観客には本当に申し訳ないし、マジックを嫌いになってないことを願っています。
【Q】プロマジシャンとして大切にしていることは?
一番はコミュニケーションです。
しゃべりや演出だけじゃなくて、主催者の意図や目的を正しく理解すること。自分がイベントのどの役割を担っているのか、それを踏まえてパフォーマンスするのが「プロ」だと思っています。
【Q】プロとアマチュアの違いとは?
僕はこう考えています。「一番強いマジックを使う人」じゃなくて、「その場に合った最適なマジックを選べる人」こそがプロ。
その時の空気、年齢層、目的、距離感…。それをすべて考慮して、たとえ簡単なマジックでも“正解”として出せる人が、一流のプロだと思う。
【Q】マジックでファンができる理由って?
マジックは音楽やダンスと違って、初回が最大火力。同じネタを何度も見せるとどうしても感動は薄れます。
じゃあ、どうやってファンを作るのか?
答えは簡単です。マジックじゃなくて、人を魅せること。マジックをしてる“その人”が好きになる。そこに価値があると思うんです。
【Q】自分自身の強みは何だと思う?
僕は、「他の人とは違う」と思って生きています。特別な才能があるわけじゃないけど、誰よりも我慢できるし、努力できる。
高校の時は、持久走も成績も一番を目指してやってきた。短距離では負けても、継続する力・努力する力は誰にも負けないって思ってるし、最近はそれも一種の“才能”だと思えるようになりました。
【Q】マジックに向いている人ってどんな人?
意外とこれ、簡単です。ちゃんと人と話せる人。目を見て会話ができる人。あと、やっぱりモテる人(笑)。これは真理かもしれない。
【Q】プロマジシャンになるには?
毎日チャレンジを続けること。去年と同じショーを今年もやってるようじゃダメなんです。止まった瞬間に、時間にも観客にも置いていかれる。
僕たちの仕事は、常に「新しい挑戦」があって当たり前。
【Q】教える立場になるとき、何を大切にしてる?
「全部は教えないこと」。なぜなら、その人の個性を残したいから。
でも、ステージでやってはいけないことはちゃんと伝えます。例えば、剣先を観客に向けないとか、名前を呼んだら最後まで名前で呼ぶとか、基本的なマナーですね。
あとは、楽屋マナーも含めて、“人としての品格”を持ってほしいと思っています。
【Q】この仕事をしてよかったことは?
やっぱりたくさんの人に出会えたこと。それが一番の財産です。
でも、もし英語がペラペラだったらもっと世界が広がるとも思うので、今後は海外でも活動できるように準備していきたいです。
【まとめ】マジックは、技術ではなく「人間」で魅せる芸能だ。
マジックは「何が起きたか」よりも、「誰がやったか」が大事。僕はそう信じています。
プロマジシャンとは、“最強のネタ”を披露する人じゃなくて、“その場にとって最適な空気を届けられる人”。
そして、お客様の心に残るのは「技」じゃなくて、「人」。
これからマジシャンを目指す人も、すでに活動している人も、一緒に“本当の意味でのプロ”を目指していけたら嬉しいです。








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