【北海道 マジシャンが語る】「ギャラは出ませんが宣伝になります」にどう返すか?
- akkeyproject
- 9月15日
- 読了時間: 4分

「ギャラは出ませんが、宣伝になります。」
パフォーマーなら、一度は言われたことがある言葉ではないでしょうか?若手時代にこの言葉を何度も耳にし、実際に多くの無償案件を経験した僕が、現在は「北海道 マジシャン」として活動し、パフォーマー派遣会社を経営する立場から、このテーマに本音で向き合ってみます。
■ 若手時代は関東で無償案件をこなしていた
今でこそ北海道を拠点に、マジシャンとして活動しながらパフォーマー派遣事業も行っていますが、僕が若手の頃は関東で活動していました。
当時は「無料でも誰かに見てもらえるなら」「どこかでチャンスがつながるかも」と、期待して多くの現場に出ていました。実際は、観客がほとんどいなかったり、運営側の対応が雑だったり、モヤっとすることも多かったです。
でも、正直言うと「経験値」としてはかなり得るものがありました。だから、今でも若手の子に相談されたら「無料でもやってみてもいいと思うよ」と答えることがあるかもしれません。
■ 無償で受けた理由は「人」か「場」
今までに無償でやった案件、もちろんあります。理由ははっきりしていて、
イベント主催者とつながりたかった
その場所でマジックをやったという実績が欲しかった
といったものでした。
「北海道 マジシャン」として活動している今でも、この“判断軸”は変わりません。大切なのは、「その現場が本当に自分にとって価値があるか?」です。
■ 経営者として、パフォーマーに“無料”をお願いするか?
僕がパフォーマーを派遣する側として、「無料でやってくれ」と言うことは絶対にありません。たとえ仲のいい出演者でも、必ず何かしらのリターンを用意します。
たとえば、
投げ銭可能なステージ
メディア出演あり
大型イベントで今後の営業実績になる
など、出演者の“未来につながるメリット”がなければ依頼しません。
■ 宣伝になる or ならないの判断基準
正直、来場者数だけでは判断しません。僕は「このイベントがプロフィールに載っていて嬉しいか?」で考えます。
例えば、北海道のローカルイベントに出たよりも、「有名商業施設のステージに出演」と書かれている方が信頼されやすいのは事実。そういう“肩書き価値”まで含めて、案件を精査しています。
■ 即断で断るパターン
主催者がパフォーマーにリスペクトを持っていないと感じた場合、即お断りです。また、「お客さんのため」ではなく「主催者の自己満足」のための出演依頼も、基本的にはNG。
■ 無償案件を断るときの伝え方
相手の立場も考えつつ、でも「それは違う」とはっきり伝えます。
例えば、「その日、スタッフ全員もボランティアなら僕も出ます」「その分の費用、全額寄付でいいならやります」
こう伝えると、だいたいその話は流れます。あとは「来年ならスケジュール空いてます」と返すと、自然にフェードアウトします。
■ 主催者に伝えたいこと
無料で来てもらうことが悪いとは言いません。でも、敬意と感謝は絶対に忘れないでほしい。
パフォーマーは、目の前のお客さんを喜ばせるために全力で準備しています。その努力を汲んでくれる主催者がいるイベントは、出演者側も「また出たい」と思える現場になります。
パフォーマンスは若手の場合不安になるシーンもあるかもしれないですが、それでもほとんどのパフォーマーは目の前の人を楽しませるために頑張ります。その頑張りにお礼をお願いします。
■ 若手パフォーマーへ
無料案件ばかりで苦しいと思う気持ち、すごく分かります。でも、経験が積めるのは若手のうちだけ。
30歳を超えて「経験のために出ます」はもう言えません。だからこそ、若いうちは無料でもいいからたくさん場数を踏んで、実力をつけてほしい。
バイトをしながらでも、ショーのクオリティを上げて、いつか「呼ばれる側」になってください。
■ 僕が考える「理想の価値交換」
お互いが“お客さんを楽しませたい”という気持ちで一致していること。
主催者も、パフォーマーも、同じ理想に向かっている現場こそが、一番幸せな「価値交換」が成立している状態だと思います。主催者の為ではなくお互いが「誰かを笑顔にしたい」とかなら素敵だと思います。
🔚 まとめ:「北海道 マジシャン」として今、僕が伝えたいこと
今、僕は北海道を拠点に、マジックバーの運営やパフォーマー派遣事業など、いろいろな立場でこの業界と関わっています。
「ギャラは出ませんが宣伝になります」と言われたら、「それ、本当に宣伝になりますか?」と、自分自身に問いかけてください。
そして、主催者側にはこう伝えたい。「お願いするなら、リスペクトを添えてください」と。
それだけで、きっと現場の空気は大きく変わります。





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