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【北海道 マジシャンが語る】倉庫のBBQ屋さんが教えてくれた“空気の魔法”

  • akkeyproject
  • 4 日前
  • 読了時間: 4分
炭火の上で鶏肉が豪快に焼かれている東千歳BBQのテーブル。 倉庫のような店内で、網の上に半身の鶏肉が並び、 赤い炭がじんわりと熱を放ち、香ばしい煙が立ち上っている様子。

北海道で活動するマジシャンとして、僕は毎日のように「人は何に心を動かされるのか?」を考えて生きている。ショーを作るとき、マジックバーMGMの空間を整えるとき、そして日常のどんな瞬間でも、なにか心が動く“ヒント”を探してしまう。

そんな僕が、ここ最近あらためて「空気の力ってすごいな」と感じた出来事がある。

それが 東千歳BBQ に行った日のことだ。


■ 「えっ、ここ?!」と思わせる外観

初めて東千歳BBQを訪れたとき、車を降りた瞬間に思わず声が出た。

「えっ!ここ?!」

まわりは畑。風の音しか聞こえない。ど真ん中に、ぽつんと古びた倉庫が立っている。正直、外観だけを見ればご飯屋さんには見えない。

でも、不思議なんだ。決して綺麗とは言えないのに、期待値が上がる。

ちょっと古めかしい看板、ほんのり漂ってくる炭火の匂い、扉の向こうに並ぶ家族連れやカップル。

まるで“秘密基地に入る直前のワクワク”みたいな気持ちが湧いてくる。

「倉庫」という非日常。「並ぶ」という特別感。「炭火」という原始的な魅力。

この3つだけで、もうおいしいのだ。


■ お祭りの屋台のような“懐かしさの匂い”

列に並んだ瞬間、ふわっと香る香りがあった。

それは、まさにお祭りの屋台の匂い。

懐かしくて、温かくて、「これ絶対うまいだろ…」と脳が勝手に確信してしまうような香りだ。

炭火のパチパチという音。広がる煙。子どもたちのはしゃぐ声。

まるで、何十年も前から続く“日本の夏”がそのまま切り取られているような空間。

僕は“北海道 マジシャン”として日常から離れた世界を作ることを仕事にしているけれど、この倉庫の中には、誰にも作れない“自然な非日常”があった。


■ 鶏肉と野菜炒め。ただそれだけなのに、衝撃的にうまい

席に通されると、もう空気が違う。

鉄板の熱気。広がる炭火の香り。倉庫の中のざわざわした雰囲気。

そして、この店のメニューは驚くほどシンプル。

鶏肉。野菜炒め。以上。

なのに、めちゃくちゃ美味しい。

理由はもちろん調理の仕方もある。でもそれだけじゃない。

倉庫の雰囲気、炭火の音、人の活気…“全部ひっくるめて味になる”んだ。

これこそが、僕が言いたい「空気の魔法」。


■ なぜこの店は“倉庫”であることが正解なのか?

僕は食べながら、ずっと考えていた。

「なぜこの店は、こんなにも人を惹きつけるのか?」

答えはシンプルだった。

空気に価値があるからだ。

もし同じ料理をピカピカのレストランで食べても、きっとここまで胸は高鳴らない。

倉庫であること。畑の真ん中であること。炭火であること。並ばなければ入れないこと。

全部が“味の一部”。料理を超えた“体験”になっている。

僕はその時、ハッとした。

これ、マジックと全く同じじゃないか。


■ 北海道 マジシャンとして気づいた「雰囲気こそが魔法」説

マジックって、不思議を見せることだけが目的じゃない。

僕が大事にしているのは**現象の前にある“空気”**だ。

観客がどんな状態でどんな気持ちでどんな表情でその瞬間を迎えるか。

たったそれだけで、同じマジックでも“別の作品”になる。

これって倉庫のBBQが料理以上の価値を生んでいるのと同じ。

マジックバーMGMでも、僕は空気作りにこだわっている。

照明の色。店内の香り。入った瞬間の温度感。スタッフの“間”。

人は“空間ごと”を受け取る生き物なんだ。

東千歳BBQは、それを思い出させてくれた。


■ 日常のすべてが“学びの資料”になる

僕はよく言う。

ただご飯を食べるのはもったいない。人生のヒントを食べなきゃ。

その店のどこに感動したのか?どこが心に引っかかったのか?自分は何を“味わって”いたのか?

味なのか、空気なのか、情報なのか、体験なのか。

意識を向ければ向けるほど、日常のすべてが学びになる。

北海道 マジシャンとして、僕はショーのためだけにインプットするんじゃない。

人生そのものを“ショーの材料”にして生きている。


■ 最後に──この記事を読んでくれたあなたへ

もし今、「毎日が同じでつまらない」と感じているなら、ひとつだけ試してみてほしい。

今日の体験を、ひとつだけ深く味わってみて。

ただ歩くんじゃなくて、景色をひとつ観察する。

ただ食べるんじゃなくて、「自分は何に感動しているのか?」と気づいてみる。

ただ過ぎ去る日じゃなくて、“映画だったらどんなシーンだろう?”と考えてみる。

そうすると、世界の見え方が変わる。

東千歳BBQの倉庫のように、どこにでも宝物が落ちていると気づく。

そして、その感性があなたの未来を変える。


あなたの今日の体験にも、きっと宝物が隠れている。

どうか見逃さないで。

 
 
 

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