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北海道マジシャンが語る:SPP!SAPPORO PERFORMANCE PARTY 2025を見て感じたこと

  • akkeyproject
  • 9月27日
  • 読了時間: 5分
観客の前で大玉に乗りながら縄跳びを披露するピエロのTeTe

──エンタメに関わるすべての人に届いてほしい話

本日、札幌で開催された**SPP(SAPPORO PERFORMANCE PARTY 2025)**に足を運んできました。

このイベントは、道内外のパフォーマーがジャンルを越えて集い、観客と直接触れ合う、とても貴重な空間。北海道のマジシャンとして活動している僕にとっても、学びと刺激の多い時間でした。

まず伝えたいのは、

「こういうイベントがあることそのものが、本当に素敵だ」

ということ。

すべての演者を見れたわけではありませんが、それでも十分に感じることができました。このイベントには、ただ楽しいというだけではなく、北海道のエンタメの数少ないパフォーマンス(パフォーマー個人のチカラ)を感じる空気感があったのです。


「やりたいパフォーマンス」と「その場に求められるもの」は違う

ここから少し、北海道マジシャンとしてのプロ目線で感じたことを綴ります。

僕たちパフォーマーは、技術を見せる・世界観を届けるという使命を持っています。でも同時に、そのステージがどんな空気の中にあるのかを感じ取るのもプロの役目。

“自分がやりたいパフォーマンス”と、“その場に求められているパフォーマンス”には、時に差がある!北海道 マジシャンが語る意識の話

これは僕がずっと意識してきたテーマでもあります。

例えば、家族連れの多い屋外のイベントで、緻密で静かな演目を披露したとします。もちろん、そのパフォーマンス自体が素晴らしいものであっても、場の空気とマッチしなければ伝わりにくい。観客の集中が逸れたり、そもそも目が向かなかったりするんです。

逆に、場に合ったテンポ・演出・言葉を選んで届けると、拍手も笑顔も自然と引き出されます。

「その場に最適化されたパフォーマンス」を届けられること。それが“北海道マジシャン”として僕が大切にしている、プロの在り方です。

例えば、お祭りの中でのステージ。子ども連れのファミリーが多い会場で、照明も音響も明るくてざわついた中。そんな場で、照明に頼る繊細な演出や、セリフ重視の緻密な構成を披露するのは、観客に伝わりにくい場合があります。

逆に、派手なアクション、音に合わせたテンポの良い展開、リアクションを引き出す工夫。そういった“その場にフィットする要素”を持ち込める人が、観客の記憶に残るパフォーマンスを届けられる

もちろん、「自分のスタイルを貫く」ことも大切。でも、「貫く」のと「押しつける」のは違う

「自分らしさ」を殺さず、なおかつ会場の空気を読む。これが、“自分を押し売りしないプロ”のスタンスなんだと思うんです。


演者と主催者、そして観客。全員の意識が「交差する地点」が理想

SPP2025を見ながら感じたのは、「このパフォーマンス、もっと違う会場だったら活きるのに!」というもったいなさ。

演者が“やりたいこと”を全力でやっていても、それが観客のニーズや会場の特性と噛み合っていなければ、伝わりにくくなる。そして、その結果は、主催者やイベント全体にも跳ね返ってきます。

だからこそ、僕はこう考えています。

  • パフォーマーは、主催者の意図と観客の雰囲気を感じ取る力を持ってほしい。

  • 主催者は、観客にどんな体験を届けたいかを明確にし、それに合う演者を選ぶ努力をしてほしい。

  • 観客は、そこに生身の演者がいて、その一瞬のために命を削っていることを、ちょっとだけ想像してみてほしい。

この三者の意識が“交差”することで、イベントって初めて完成するんじゃないでしょうか。


僕らは「場」に合わせて変わる。でも、それはブレることじゃない

「パフォーマンスを会場に合わせる」って言うと、「媚びる」「自分らしくない」とネガティブに捉える人もいます。

でも僕にとって、それは**「プロとしての変身」**なんです。

子どもが多い会場なら、トークの言葉選びを変える。お年寄りが多いなら、スピードや声の高さを意識する。会社の表彰式なら、上品さやスマートさを加える。

これって、お客さんに対する“リスペクト”の表れじゃないでしょうか。

観る側のことを考えて、届け方を変える。その中で、「自分らしさ」をどう表現するかを探す。そこに、パフォーマーとしての面白さがあると僕は思います。


まとめ:エンタメは「空気を読む」ことで深化する

SPP2025は、本当に素敵なイベントでした。こういう場があることで、パフォーマーは発表の機会を得て、観客は未知の感動に出会える。僕自身も、初心に帰るような気持ちで楽しませてもらいました。

そして同時に感じたのは、**「パフォーマンスは一人では完成しない」**ということ。

演者、主催者、観客。この三者が、“同じ方向”を向いたとき、初めて魔法が生まれる。

これからも僕は、ただ「やりたいことをやる」だけじゃなく、「求められていること」と「やりたいこと」の橋をかける仕事をしていきたい。それが、北海道を拠点に活動するマジシャンとしての、僕の責任だと思っています。


🎩この記事を読んでくれたパフォーマーの方へ

あなたのステージが観客の記憶に残りますように。

そして主催者さん、イベント運営に関わる皆さん──どうか「その会場に合ったパフォーマンス」を考える時間を、ほんの少しだけでも持ってもらえたら嬉しいです。

北海道のエンタメが、もっともっと“伝わるもの”になりますように。




 
 
 

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