✨ 貯金30万円がみるみる減る18歳。返信率0.5%の地獄で、北海道マジシャンが掴んだ答え
- akkeyproject
- 3 時間前
- 読了時間: 4分

■ はじめに:18歳、仕事ゼロ。
23歳で北海道に戻ってくるまで、僕は東京でストリートマジックをしながら生きていた。炎天下の路上で30分5000円を積み重ね、時々イベント会社を通して幼稚園や保育園でのショーに呼ばれ、出演料は3万円。それでなんとか生活していた。
でも、北海道に戻ると決めたとき、僕には仕事がゼロだった。“北海道 マジシャン”としての活動も知名度もなかった。ただ、マジックを続けたいという想いだけがあった。
そのとき僕が選んだのは、「DM(ダイレクトメール)」という、誰もやっていなかった地味な戦略だった。
■ 全部ワードで作った「素人チラシ」のスタート
いま思えば本当に無謀だったと思う。デザイナーに頼むお金なんてないから、チラシは全部ワードで自作。家の古いプリンターで印刷して、インク代を浮かせるためにリサイクル品を買い続けた。
でも――作るたびに上手くなっていく自分がいた。
「どう見ても素人のチラシ」から、「選ばれるチラシ」へと変わっていく過程が楽しかった。
いま僕がデザインやレイアウトにこだわれるのは、この頃の経験があったからだと思っている。
■ DM地獄の日々:プリンター12時間、数百通発送
当時のヤマト運輸には「クロネコメール便(80円)」という神サービスがあって、全国どこでも安く送れた。
僕は北海道中の幼稚園、保育園、介護施設、養護施設に向けて、毎日数百通を発送した。
家のプリンターは一日12時間働き、僕は切手を貼り、封筒を閉じ、宛名シールを貼り続けた。
完全に“地味な地獄作業”だった。
でも不思議なことに、しんどさより、未来への期待のほうが強かった。
■ 返信率0.5%の現実。それでも続けた理由。
DMの効果は…正直に言うと、
200通送って1件くるかどうか。返信率は0.5%。
それでも、一通のメールが届いたときの喜びといったら、胸が熱くなって震えるくらい嬉しかった。
逆にまったく返事がなければ、「ちゃんと届いてるのかな…」と不安になった。
お金もどんどん減っていった。貯金30万円のうち、広告費に20万円をつぎ込んでいたからね。
でも、僕はこの投資を“未来を買うための費用”だと信じ続けた。
北海道の地方には、「マジシャンを呼べる」という文化がまだあまりなかった。だから自分の存在を知ってもらうために、送り続けるしかなかった。
そして数年後、送ったチラシを保管してくれた施設から連絡がくることが増えた。
「あのとき送ったチラシ、取っておいたんです」
この言葉に何度救われたかわからない。
■ 周りに理解されなかった戦略
当時、道内のパフォーマーに「僕はこうやって仕事を取ってるよ」と話しても、ほとんど誰も真似しなかった。
・お金がかかる・手間がすごい・すぐに結果が出ない
この3つが揃っている戦略は、ほとんどの人がやらない。
でも、一部の人が真似して実際にお祭りの営業を取り始めていた。
そのとき思った。
動く人だけが、景色を変えられる。
■ 若手時代の僕は「3万円でどこでも行く」と決めていた
北海道の若手パフォーマーの平均出演料は3〜5万円。僕は「経験が価値になる」と信じて、
3万円で全国どこでも行く。
と決めていた。
完全にギリギリの生活だったけれど、その経験が“今の僕”を作ったのは間違いない。
この話の先――出演料が一気に上がる転機については、また今度書こうと思う。
■ なぜいまDMの話をするのか?
ネット広告の時代になった今でも、紙DMが強い場面はたくさんある。
特に北海道は広く、情報が届きにくい地域も多い。「パフォーマーを呼べる」という文化そのものを広めるためには、紙の信頼感が刺さる場所も多い。
若いパフォーマーには、“技術を磨くこと” 以上に、自分を届ける努力の大切さ を知ってほしい。
派手なイリュージョンを買う30万円も価値があるけれど、30万円のDMで未来のお客さんと繋がれるのなら、それはもっと価値がある。
■ 北海道マジシャンとして僕が掴んだ答え
僕がこの18年間で掴んだ答えはひとつ。
仕事は待つな。取りに行け。
たとえ返信率が0.5%でも、たとえ貯金が減っていっても、たとえ誰にも理解されなくても、
動き続けた人だけが道を切り開ける。
■ エンディング:あの日の僕へ
返信が来なくて落ち込んでいた23歳の僕へ。
あの日、地味で孤独なDMを送り続けてくれてありがとう。あの努力があったからこそ、今、北海道で“北海道 マジシャン”として僕は立っていられる。
✨ どれだけ返事がなくても、動き続けた人だけが景色を変えられる。
そしてあの日、返信率0.5%の世界で戦っていた23歳の僕は──今、北海道マジシャンとしてここに立っている。
そして来年のDMを用意している。
未来の僕のために、そして未来の観客のために!





コメント