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【北海道 マジシャンが語る】路上パフォーマンスの騒音問題と元大道芸人の本音

  • akkeyproject
  • 9月17日
  • 読了時間: 4分
札幌の街中で大道芸をするプロマジシャンのアッキー大道芸の様子

北海道 マジシャンが語る17年大道芸人として活動して思うこと〜

こんにちは。北海道を拠点に活動しているプロマジシャンのアッキーです。僕は現在、札幌すすきのでマジックバーの出演を中心に活動していますが、以前は大道芸人として17年間路上でパフォーマンスをしていました。

今日は、SNSでもたびたび話題になる「路上パフォーマンスの騒音問題」について、元大道芸人、現プロマジシャンの視点から本音をお話ししたいと思います。


「大音量のパフォーマーはやめろ!」の投稿に思うこと

最近、「大道芸の環境を守るために大音量のパフォーマンスはやめるべきだ!」という趣旨の投稿をSNSでよく目にします。確かに、周囲に配慮のない大音量は問題です。でも、SNS上での発信の仕方には、個人的に**いくつかの“違和感”**を感じています。

それは以下の3つです:

① 本人に言わずSNSで拡散するやり方

まず思うのは、「直接言えばよくないか?」ということ。現場で気になることがあったなら、その場で冷静に本人に伝えるべきです。

SNSは一方的に自分の正義を語れる場所ですが、その一言が誰かの活動や信頼を大きく損なうこともある。現場で実際に声をかければ、話せば分かる人もいます。逆に、SNSで書かれた一言は文脈も熱量も伝わらず、ただ誤解や分断を生むことが多い。


② 現場にいない人が“断罪”することへの違和感

ネットでは、現場を見ていない人が意見を言う場面もあります。でも実際には、パフォーマー側も状況によって判断して行動しています。

「今日はイベントの一環で特別に音を使える許可を取っている」「周囲に確認して音量を調整している」そんな背景を知らずに、動画や写真だけを見て「迷惑行為だ」と断定するのは、少し乱暴ではないでしょうか。

現場に立ってみないとわからないことは、実際たくさんあるんです。


③ そもそもその場所は“やっていい場所”なのか?

「うるさい!」という声を上げる前に、まず大前提として、その場所は大道芸が許可されているエリアなのか?という視点も必要です。

もし無許可でやっているのなら、音量うんぬん以前に問題は別のところにある。一方で、パフォーマーが許可を得てやっている場所なら、運営側との事前調整がされている可能性もある。そこを無視して「自分の正義」で語るのは、正論に見えても一方的なんです。


自分の正義は、他人にとっての正義とは限らない

この話で僕が思い出すのが、アニメ「ワンピース」の世界観です。ルフィは海賊であり、立場上は“悪者”です。でも、物語の中では彼がヒーローのように描かれ、海軍の方が悪役に見える場面もあります。

でももし、スピンオフで“海軍視点”の物語が描かれたら?ルフィは単なる“犯罪者”で、正義の名のもとに戦う海軍が正しく見えるかもしれません。

何が正しくて、何が間違っているのか。それは、見る人の立場や価値観で大きく変わるということです。


僕の理想は「ルールを共有する」ことで、無理に強要しないこと

大道芸の環境を良くしたいという気持ちは、僕も痛いほどわかります。でもそれは、「自分が正しい」と言って他人を攻撃することではなく、お互いの考えや立場を共有して、理解を深めることから始めるべきです。

ルールを強要するのではなく、共有する。その中で、「この場所ではこうしよう」「こういう音量にしよう」と合意を取ることで、より健全な文化が育つと僕は信じています。


そして、忘れてはならない「ビジネスとしての側面」

大道芸はエンタメであると同時に、**生活を支える“仕事”**です。パフォーマーの中には「自分が生き残るために、ライバルの場所を取る」という考えを持つ人もいるかもしれません。

それを一概に「悪」とは言えません。ビジネスの世界では、競争や市場原理が常に存在します。

それが嫌なら、地元のパフォーマーたちが土地の管理者と協議して、しっかりとルール化して守る仕組みを作るべきです。SNSで炎上させても、大道芸全体のイメージを悪化させてしまうだけ。

最後に:北海道のマジシャンとして、伝えたいこと

僕は今、北海道でマジシャンとして活動していますが、大道芸の世界で17年過ごした日々が、今の自分のパフォーマンスの“核”を作っています。

だからこそ、大道芸という文化を守りたい。でも、それは誰かを悪者にして守ることではないと思うんです。

北海道や札幌で活動するマジシャン、大道芸人、アーティストたちが、お互いのやり方や考えを尊重しながら、共存できる文化を作ることが本当の理想だと信じています。

これからも、北海道でマジックという形でエンタメを届け続けながら、僕なりの視点でこの世界に貢献していきたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。

北海道 マジシャン アッキー

 
 
 

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