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北海道札幌で活躍するプロマジシャンが教える!アドリブ力の鍛え方とは?

  • akkeyproject
  • 6 日前
  • 読了時間: 4分
札幌市地下歩行空間で大道芸をするプロマジシャンアッキーと観衆

🎩アドリブ力ってどう鍛えるの?

マジックのショーや大道芸をしていると、よくこう聞かれるんです。「アドリブって、どうやってできるようになったんですか?」

そのたびに僕は、ちょっとだけ考え込みます。なぜなら、僕にとってアドリブって“練習して身につけたもの”というより、人生そのものに近いからです。


■ 子どもの頃からオチが求められた家庭

僕は、ちょっと変わった家庭で育ちました。父親がお笑い大好き人間でそんな父の元で育った僕は、普通の家庭なら「今日学校でこんなことがあったんだ~」で終わるような話をすると、「で?オチは?」と問われるわけです(笑)。

「オチのない話は話じゃない」みたいな空気が、家の中に流れてたんですよね。

だから自然と、話をするときは“どう締めるか”を考えるようになった。オチがない話をして「なんだその話」と言われないように、頭の中で常にストーリーを組み立てるクセがついたんです。これは今振り返ると、アドリブ力の基礎になっていたと思います。


■ 熱量や“見せかけのウケ”も立派な技術

もちろん、全部が全部完璧にオチがあるわけじゃない。だから僕は、オチが作れなかったときは“熱量”で押し切るか、お笑い的な“間”や“テンション”でウケてる風に見せる技術も使ってました。

いわば、「スベってないように見せかける技術」です。これって実は、アドリブの世界ではめちゃくちゃ大事。

とくにステージでは、「ちゃんと笑いが取れてる風に見える空気」をつくることで、観客の安心感や一体感が生まれる。それが、笑いにつながることもあるんです。


■ 大道芸で得た“生きたトラブル対応”

僕はこれまで、大道芸の世界で本当にいろんなトラブルに遭遇してきました。音響が止まる、通行人が乱入、子どもが予想外の動き…あげたらキリがない。でも、そういう「予定外の出来事」を喋りや動きで笑いに変えるのが、僕のスタイル。

もちろん、すべてがうまくいくわけじゃない。だけど、その一つひとつの経験が“ストック”として引き出しにたまっていって、「このタイプのトラブルが来たら、こう返す」っていう反射が自然とできるようになったんです。


■ 笑いのパターンを分析する子どもだった

そして僕の強みはもう一つ。それは、子どもの頃からずっとお笑いの番組を見て育ってきたこと。

ボケとツッコミのタイミング、スベったあとの返し方、空気の読ませ方、拾い方…お笑いって、ただ面白いだけじゃなくて、「型」があるんですよね。

僕はそれを小さい頃から無意識に観察していて、自分に合った“笑いのパターン”を取り入れるようになってました。アドリブに見えるかもしれないけど、実はすごく“仕組まれた即興”なんです。


■ あえてスベる笑いを仕掛ける戦法

たまに僕は、あえてスベるネタを仕掛けることがあります。もちろん、ウケたらラッキー。でも、8割は滑る(笑)

でも、実はそこからが勝負なんです。

例えるなら──「ギャグを言う」→(会場ざわざわ…)→「カイジか!!」→「あれ、この空気キンキンに冷えてやがる…」

っていうふうに、滑った空気ごとネタにして、笑いに持っていく。拾いに拾って、誰か一人でも笑ったら勝ち。これも立派な“アドリブの一手”だと僕は思っています。


■ 相手をよく見ることが、最高のアドリブ

最後に、アドリブに一番大事なのは「相手をよく見ること」。

例えば、観客席から子どもをステージに上げたとき、その子のシャツにアンパンマンの絵が描かれてたら、「好きな食べ物なに?」って聞いて、「カレー!」って返ってきたら──「えっ、あんぱんじゃないんだ…」って返す。

そういう観察とちょっとしたボケが、リアルな笑いを生むんです。


■ 攻めるけど、絶対に超えない“一線”もある

ちなみに僕の中でのルールがあって、相手の容姿はいじらない

でも、「空気」「服装」「タイミング」みたいなネタは使います。例えば、家族全員が黄色い服を着ていたら「24時間テレビの帰りですか?」ってボケる。これはギリギリのラインだけど、攻めるときは“愛のある笑い”にするのが鉄則です。


■ アドリブとは、「見せかけの即興」じゃなく「積み重ねの結晶」

アドリブって、一見その場でパッと出たように見えるけど、実は「経験のストック」「分析」「場数」「観察」「覚悟」、そのすべてが合わさった“練られた瞬発力”なんだと思う。

僕はこれからも、「その場で生まれたように見える奇跡」を、たくさん仕込んで、失敗して、笑いに変えていくつもりです。

だって、アドリブって“努力の見えない芸術”だから。


あなたがもし、アドリブが怖いと感じているなら――


それは、まだ“経験”があなたを守ってくれていないだけ。


何度でも失敗していい。


経験は、きっとあなたの“最強の味方”になるから。

 
 
 

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